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[シリーズ]「社労士がいるから大丈夫」は本当か?
第2弾|社労士顧問がいても安心とは限らない
― 運送業における「顧問契約の正しい活かし方」と実務体制 ―

はじめに

「顧問社労士がいる=安心」という認識の危うさ

多くの運送会社では、

顧問社労士と契約している

就業規則も整備している

労基署対応も相談できる

こうした理由から、
「うちは大丈夫だろう」と考えがちです。

しかし実務の現場では、

顧問社労士がいても是正勧告を受ける

労務トラブルが長期化する

裁判や労基署対応で説明に窮する

といったケースが少なくありません。

本記事では、

社労士顧問の価値を正しく理解し

そのうえで「なぜ安心しきれないのか」

どうすれば“本当に安心できる体制”になるのか

を、運送業の実務に即して整理します。


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第1弾|社労士がいても裁判に勝てない理由

1. 顧問社労士の役割と、その本質

1-1|顧問社労士の本来の役割

顧問社労士は、

法令改正への助言

就業規則・規程類の整備

労使協定の作成・届出

労務相談への対応

などを担う、労務管理の専門家です。

運送業のように法令が複雑な業界では、
顧問社労士の存在は極めて重要です。

1-2|顧問契約は「免責」を保証するものではない

一方で重要なのは、

顧問社労士との契約は
会社の法的責任を肩代わりする契約ではない

という点です。

最終的な責任主体は、常に会社(使用者)です。

労働時間の把握

賃金の支払い

実態に沿った運用

これらが不十分であれば、
顧問社労士がいても是正・指摘を受ける可能性があります。

2. 運送業で「顧問社労士だけでは足りない」理由

2-1|運送業は“実態依存型”の業種

運送業の労務管理は、

日々の運行状況

荷待ち・付帯作業

不規則な勤務時間

など、
実態に大きく左右される業種です。

制度だけ整えても、

現場が守れない

管理が追いつかない

という事態が起こりやすいのが実情です。

2-2|社労士は「現場を直接管理できない」

顧問社労士は、

月1回の打合せ

必要に応じた相談対応

が基本です。

つまり、

日々の勤怠入力
毎日の運用判断

まで直接関与することはできません。

この「距離感」が、
運送業ではリスクになりやすいのです。

3. GU社労士法人・O先生の実務視点

運送業に精通した社労士法人先生は、顧問契約について次のような視点を示されています。

3-1|「顧問がいる=実態が整っている」ではない

O先生が多くの運送会社で感じているのは、

顧問契約はあるが

労働時間の実測が取れていない

給与計算が実態に合っていない

というケースが非常に多いという点です。

3-2|顧問社労士が最初に確認するポイント

O先生は、
給与改訂や制度見直しの相談を受ける際、必ず次の確認から入ります。

所定労働時間の考え方は適正か

変形労働時間制の手続きは完了しているか

深夜・法定休日・時間外の区分が取れているか

ここで問題が見つかると、制度以前に「管理体制の再構築」が必要になります。

4. 顧問社労士が「活かしきれない」典型パターン

4-1|勤怠管理が属人化している

Excelで管理している

管理者の感覚で修正している

記録が後追いになっている

この状態では、顧問社労士も正確な助言ができません。

4-2|給与計算が複雑化しすぎている

運送業では、

歩合給

各種手当

割増賃金

が複雑に絡みます。

O先生も、

「顧問先の要望どおりに作った給与式が、後からリスクになるケースがある」

と指摘されています。

5.「顧問社労士 × 実態データ」が前提条件

5-1|顧問社労士は“判断役”

社労士は、

何が合法か

どこがリスクか

を判断する専門家です。

しかし、判断の材料が不十分であれば、正しい結論には辿り着けません。

5-2|実態データがあることで初めて議論ができる

実際の労働時間

割増対象時間

勤務パターン

これらが可視化されていれば、

顧問社労士と具体的な議論ができる

制度変更の影響を検証できる

ようになります。

6. 顧問社労士と「良い関係」を築けている会社の特徴

実務上、うまくいっている会社には共通点があります。

勤怠・給与データを定期的に共有

制度変更前に必ず実態検証

社労士を“意思決定パートナー”として扱う

顧問社労士を
相談先ではなく、経営判断の支援者として活用しています。

7.「安心」とは契約ではなく体制で決まる

顧問社労士がいること自体は、間違いなくプラスです。

しかし、

実態把握ができていない

運用が追いついていない

状態では、「安心」とは言えません。

本当の安心とは、

実態が把握できている

説明できるデータがある

社労士と同じ情報を見ている

この状態です。

おわりに

顧問社労士を「形式」ではなく「力」にするために

顧問社労士は、運送業経営において欠かせない存在です。

だからこそ、

任せきりにしない

情報を共有する

実態を整える

この3点が重要になります。

顧問社労士 × 実態管理 × 経営判断
この連携ができたとき、はじめて「顧問がいて安心」と言える状態になります。


自社の状況に当てはめて考えたい方へ

本記事の内容を読んで、「自社の場合はどう考えればいいのか」と感じた方へ。
運送業の実態を踏まえた労務管理の考え方について、個別にご相談を承っています。

まずは状況の整理だけでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。

次回予告

第3弾|なぜ「社労士がいるから大丈夫」で思考が止まるのか
― 運送業経営に潜む“思考停止リスク”と、顧問社労士を活かす経営姿勢 ―


本記事はシリーズ「社労士がいるから大丈夫」は本当か?の第2弾|社労士顧問がいても安心とは限らない です。

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