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[シリーズ]「社労士がいるから大丈夫」は本当か?
第3弾|なぜ「社労士がいるから大丈夫」で思考が止まるのか
― 運送業経営に潜む“思考停止リスク”と、顧問社労士を活かす経営姿勢 ―

はじめに

多くの運送会社で聞かれる、ある一言

運送業界で営業・監査・労務相談の現場に立つと、非常によく耳にする言葉があります。

「うちは社労士がいるから大丈夫です」

この言葉自体は、決して間違いではありません。

顧問社労士がいることは、運送業経営において大きな強みです。

しかし同時に、この言葉が
“思考停止のサイン”になってしまっているケースも、
少なくないのが実情です。

本記事では、

「社労士がいるから大丈夫」とは何を意味するのか

なぜその認識がズレることがあるのか

本当に“大丈夫”な会社の共通点は何か

を、運送業の実務と経営判断の観点から整理します。


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1.「社労士がいるから大丈夫」という言葉の正体

1-1 | この言葉に含まれる3つの期待

この一言には、多くの場合、次のような期待が含まれています。

法令は守れているはず

問題があれば社労士が止めてくれるはず

何かあっても相談できるから安心

これらはいずれも、社労士の本来の価値に基づく正当な期待です。

1-2 | 問題は「確認が止まる」こと

しかし、この言葉が繰り返されることで、

現場の実態確認をしなくなる

データを見直さなくなる

「社労士に任せている」という理由で議論が止まる

という状態が生まれることがあります。

ここに、経営リスクの芽があります。

2. 社労士が「判断できない」状況とは何か

2-1 | 社労士は“実態を作る立場”ではない

社労士は、

制度を設計する

法的リスクを判断する

専門家です。

一方で、

勤怠を入力する

日々の運行を管理する

給与計算の元データを作る

のは、会社側の役割です。

つまり、

実態が曖昧な状態では、社労士も正確な判断ができません。

2-2 |「任せている」の中身が共有されていない

よくあるのが、

社長は社労士に任せているつもり

管理者は現場判断で回している

社労士は提出された資料を前提に助言している

という、三者の認識がズレた状態です。

このズレは、問題が起きるまで表面化しません。

3. GU社労士法人・O先生の視点

運送業に特化した社労士法人先生は、この点について次のような実感を持たれています。

3-1 |「社労士がいる=実測できている」ではない

O先生が関与した運送会社でも、

顧問契約はある

就業規則も整っている

にもかかわらず、

労働時間を正確に把握できていない

給与計算の前提が曖昧

というケースは少なくないそうです。

3-2 | 給与改訂の相談が“止まる”理由

O先生は、給与改訂の相談を受ける際、必ずこう伝えます。

「まず労働時間を正確に把握してください。それができないと、給与改訂はできません」

これは、

社労士が非協力的なのではなく

責任ある判断ができないから

です。

4.「社労士がいるから」で見落とされやすいポイント

4-1 | 就業規則が“実態と乖離”している

書類上は整っている

しかし現場では守られていない

この状態では、

規則は存在するが

経営を守る力を持たない

という結果になります。

4-2 | 給与体系が複雑化しすぎている

運送業では、

歩合給

各種手当

が多くなりがちです。

顧問社労士が関与していても、

実態データが不足している

経営側の要望が優先されすぎる

と、後から説明が難しい給与体系になることがあります。

5. 「本当に大丈夫な会社」がやっていること

5-1 |「社労士に確認する前」にやっていること

安心できている会社ほど、

自社の勤怠・給与データを把握している

問題点を言語化できている

状態で社労士に相談します。

これにより、

議論の質が上がる

制度設計が現実的になる

という好循環が生まれます。

5-2 | 社労士を“判断の最終工程”に置いている

本当に機能している会社では、

実態把握

課題整理

複数案の検討

を行ったうえで、社労士に判断を仰ぎます。

この役割分担が、「社労士がいるから大丈夫」を事実に変えています。

6.「思考停止」を防ぐための経営者視点

6-1 |「任せている」ではなく「共有している」か

経営者・管理者が確認すべきなのは、

社労士が

自社の実態を

どこまで把握しているか

という点です。

6-2 | 社労士との関係は“協業”

社労士は、

代行者

免罪符

ではありません。

経営判断を支える専門パートナーです。

おわりに

「社労士がいるから大丈夫」を“本当”にするために

「社労士がいるから大丈夫」という言葉は、条件が揃えば、確かに正しい言葉です。

その条件とは、

実態が把握されている

データが共有されている

社労士と議論ができている

ことです。

顧問社労士の力を最大化するのは、制度ではなく、会社側の姿勢と管理体制です。


自社の状況に当てはめて考えたい方へ

本記事の内容を読んで、「自社の場合はどう考えればいいのか」と感じた方へ。
運送業の実態を踏まえた労務管理の考え方について、個別にご相談を承っています。

まずは状況の整理だけでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。


本記事はシリーズ「社労士がいるから大丈夫」は本当か?の第3弾|なぜ「社労士がいるから大丈夫」で思考が止まるのか です。

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